初期の火の利用から人類は急激に発展をしてきました。 調理にもそれまで生食ではうまく摂取できなかったタンパク質などの栄養を容易にしました。その他にも寄生虫や病原菌の滅菌、コラーゲンなどのゼラチン化など多くの恩恵を受けました。
人族による初期の火の利用は170万年~20万年前の広い範囲で議論が行われていますが基本自然発火した野火などを使っていたと考えられています。最も古いとして残っている証拠は12万5千年前の遺跡から見つかっています。
火の使用は食べられなかった菜食を可能にしました。多くの植物には灰汁や毒素が含まれています。例えば豆科の植物や根菜にはトリプシンやシアングリコーゲンなどの有毒成分が含まれる場合があります。また、アマ、キャッサバのような植物に有害な配糖体が含まれる場合もあります。その他灰汁に関しては、動物からの摂食を防ぐための防御物質として刺激性の物質や、栄養素の消化吸収を阻害し、動物の体の状態を変化させる生理活性物質などを持っていることが多く、ホウレンソウなどに含まれているシュウ酸は、苦み、えぐみをもたらす。カルシウムと結合しシュウ酸カルシウムとなるためにカルシウムの吸収を阻害し、さらにシュウ酸カルシウムが体内に蓄積し結石の原因となる。茹でることで茹で汁にシュウ酸が溶け出すので大部分が除去できる。ワラビなどの山菜に含まれるチアミナーゼは不味いだけでなく、ビタミンB1を分解する作用があるため、多く摂取すると脚気を引き起こす。また、植物にとっては重要な栄養物質であるが、人間のような動物には代謝できない亜硝酸塩は体内で発ガン性物質に変化します。そのため、火を使用する前には植物の大部分が食用にならなかったでしょう。
このように人類にとって有害な物資を多く含む植物は食用にはなりませんでしたが、火の影響により植物を摂取できるようになりました。しかし勘違いしてはいけないのは摂取できることと体に合っていることは別問題です。それ以前は肉食を基本に花や果実、種などを食用にしてきました。今飽食の時代で多くの食材と調理法があり、体にいい食事の情報も多く出回っています。一度歴史や人体の構成から本当に必要な食事を考えてみてはいかがでしょうか。
間違った食生活をすることは健康になるどころか体を壊してしまいます。
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